FIAジャパンが組織として一層の成長を続ける中、会長として2年目を迎えることができ大変光栄に思います。会員数の増加、理事会の専門性と成熟度の高まり、各委員会の委員数と活動レベルの充実、またFIAジャパンのガバナンスとストラクチャーの改善等、この1年で再びさらに進化と深化を遂げました。
このようなポジティブな成長の根本的な源泉は、1年前にチームとして今後の戦略をじっくりと考えたことであると思います。1年前に決めた目標をすべて達成したわけではありませんが、全員の努力の結晶が、間違いなく、今年の様々な成果へとつながりました。日本の金融業界に多大な貢献をしているチームの一員であることを、大変誇りに思います。
また2021年度の初めにあたり、我々はより大きな目標について議論し、次のように結論しました。
「FIAジャパンの使命は、日本金融市場の伸長と成功、そしてアジア地域およびグローバルな金融センターとしての発展を促進することにある。その達成に向け、議論やコミュニケーションを目的としたフォーラムの提供、多様な教育セミナーなどの実施、規制当局および法規制の動向のモニターリングの3点を中心とし、目標に設定する」
項目が多岐にわたるためすべての紹介はできませんが、前記の行動指針に基づく我々の活動の主要な項目を列挙します。
FIAジャパンのガバナンス
規制当局関連業務
教育
日本金融センター
FIAジャパン事務局の強化
市場の強化
2021年度に実施した業務は広範におよびます。同じくすべては紹介しきれませんが、活動重点項目の中で大きな進展があったものは以下の通りです。
1. FIAジャパンのガバナンス
理事会および委員会レベルにおけるメンバーのさらなる多様性の実現
FIAジャパンとFIAは、祝日取引などの幅広いテーマで連携し、協力強化
今後の持続的な成功に資するFIAジャパン事務局の体制改善
会員数の増加維持による会員企業の多様化も進み
目標達成に向けた会員の専門知識の効果的な活用
2. 規制当局関連業務
FIAジャパンは研究、調査、論文、円卓会議、セミナーを通じた活動を継続中。これもまた会員の多大な努力の結実であり、より重要なのは、多くの分野にわたっての貢献を実現したこと
我々は、日本の総合取引所市場の継続的プロモーショ、祝日取引の導入、VaR証拠金制度の導入など幅広いテーマについて、業界関係者と緊密に連携
3. 教育
会員および業界に対して重要な情報を提供する役割を継続
ウェブサイトを改善し、より価値のある、より適切な情報源として構築
前述のとおり、日本の国際金融センターなどをテーマとした円卓会議を実施したほか、東京国際金融機構(FinCity.Tokyo)などとのセミナーに参加
4. 日本金融センター
日本が主要な国際金融センターとして発展すべく様々な形での協力
東京国際金融機構(FinCity.Tokyo)のセミナー参加を通じて直接的に関与。日本がグローバルな金融センターとしての魅力を高め続けるために何ができるかを考え、外国企業との円卓会議を含む多くの活動を実施
また、外資系企業の日本進出を助長するため、具体的な障害やインセンティブを明らかにすべくアンケート調査を実施
5. FIA ジャパン事務局の強化
昨年度、FIA ジャパン事務所にいくつか重要な変革を実行
新しいエグゼクティブ・セクレタリーがチームに加わり、既に当協会への効果的な貢献を遂行中
事務局長という役職の設置に伴う大きな変化
事務局長は既にFIAジャパン事務局の内部管理を通じて、会員や業界との対外的なコミュニケーションの強化を実現
6. 市場の強化
前述のとおり、FIAジャパンは市場の強化に特に重点を置き、多くの分野で積極的に活動中
日本の総合取引所市場の継続的なプロモーション、大阪取引所の祝日取引導入への取り組み、VaR証拠金制度の導入、海外での先物取引、リモート取引参加者制度などはその一例
上述は、もちろん、我々のチームのメンバー全員が1年を通して行った努力や貢献のすべてではありません。その一端を通じてFIAジャパンの使命が伝われば幸いです。我々は、日本の金融業界の成長と成功に貢献することを目標に、これからも真摯に取り組んでまいります。
2022年5月25日に開催した年次総会では、会員の皆様に上記の活動を振り返っていただき、次年度の事業計画の承認を得たのち、新たに選出された理事会から2022年度のFIAジャパン会長の指名を受け、再任の栄誉を賜りました。日本金融市場のさらなる発展、そして真の国際金融センターへと導く一助となるため、私自身は、ダイナミックなチームと引き続き協力していくことを楽しみにしています。
リチャード・クレアモント
FIAジャパン会長