規制の変化によって求められる金融界のシステム強化

世界的な規制変更を受け、金融業界全体がデータ分析やレポ―ティング等新しい環境に対応するための課題に直面し、テクノロジープロバイダはそれに応える新製品を発売している。例えば、自己資本比率規制バーゼルIIIにより、多くの市場参加者は自社のITインフラ管理を外部の専門業者に委託することを余儀なくされた。

これらの展開についてサンガードのCTO(最高技術責任者)スティーブン・シルバースタイン氏は次のように語る。「実装のスピード、費用、簡易性の点で、ますます多くの顧客がビルトインクラウドSOA(Service Oriented Architecture)ソリューションを活用するホスティングソリューションの導入に移行しつつある。そしてこの傾向は、現在、わが社にとって最も急速な成長市場であるアジア全体で広まっている。規制の複雑化によって、Adaptiveのようなリスク管理ソリューションは顧客にとって非常に魅力が高まっている」。

状況をさらに詳しく見ると、規制の変更がもたらした課題は、増大する複雑なシナリオに従って巨大化するデータを処理する一方、遅延を低減しながら最も正確な方法でリスクを認識できる性能のあるシステムを持てるかにあると言える。

シルバースタイン氏によれば、この技術的な課題に対応するために、ISV各社はHPC(高性能計算)やGPU(グラフィカルプロセスユニット)ベースの計算方法などの最新技術への移行を求められているという。

日本は依然としてハイテク国家として見られているものの、金融界はテクノロジーの面で他国の金融センターに遅れをとっている。理由はいくつかあるが、システムインテグレータなどの仲介者がIT環境を管理するという伝統的なアプローチや、閉鎖的レガシーシステムの根強い存在が、既存のシステムとインターフェースで連結するパッケージソリューションの展開を妨げているのかもしれない。

さらに、リスクへ包括的にアプローチするには、それがクレジットリスクであ、カウンターパーティリスクや市場リスクであれ、金融機関は横断的に考え、動くことが必要となるが、それはしばしばグローバルな規模となり、伝統的なビジネスの垣根をはるかに超えるものとなる。このことは日本企業の一部にとって、リスクを包括的に捉え直す際に壁となってきた。しかし、状況は変わりつつある。日本の金融業界は自社の様々なITソリューションを刷新、更改しつつある。「市場がより発展すれば、日本のテクノロジー環境は成熟してくるだろう」とシルバースタイン氏は語った。