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TOCOM 4月にLNG先物を取引開始

日本取引所グループ(JPX)の東京商品取引所(TOCOM)は2022年4月4日から液化天然ガス(LNG)の先物取引を始める。これによりTOCOMでは、電力および原油、石油製品(ガソリン、灯油、軽油)とともに、電力と発電用燃料をワンストップで取引できる環境が整うこととなった。

TOCOMが上場するLNG先物は円建てで、現物の受渡しを伴わない現金決済先物取引。S&Pグローバルコモディティ・インサイツ(旧S&Pグローバルプラッツ)が評価する日本/韓国向けLNGカーゴのスポット価格「Japan / Korea Marker(プラッツJKM)」を指標とし、北東アジア向けの短期・スポット物LNGの円建て価格指標として参照できる。


取引単位は1枚あたり1,000mmBtuで、CMEやICEの同種取引の10分の1。連続15限月制で、取引時間は日中取引が午前8時15分~午後3時15分、夜間取引は午後4時15分~翌日の午前6時。最終決済価格はプラッツJKMの月間平均価格(円換算値)。


LNGは環境負荷の低減に寄与し、脱炭素化に資する重要なエネルギー源とされている。国際貿易では原油、金、鉄鉱石に次いで、コモディティとしては世界4位の市場規模を誇る。市場規模は拡大傾向にあり、今後も成長が継続する見通しがもたれている。


日本では、政府が「未来投資戦略2017」で「電力先物、LNG先物の円滑な上場を確保するよう積極的に取り組む」との方向性を確認。TOCOMは2020年9月に電力先物取引を上場したが、大手電力会社は検討段階から電力、原油、LNGのワンストップ取引ができる環境整備を求めていた。


石崎隆TOCOM社長のコメント:

「LNGは環境負荷の低減に寄与し、脱炭素社会への移行期における重要な低炭素エネルギーとして重要性を増しています。また、中国の輸入急増の影響もありスポット市場の規模は拡大しており、地政学的リスクの高まりを受けて価格変動もこれまでと比べて格段に大きくなっています。LNG先物は、価格ヘッジツールとしての重要性を増していることは間違いありません。

一方で、電力に対する発電用燃料として、スパークスプレッドを可能にする、いわばLNG先物を電力先物と連動した手段として位置づけていくことが重要と考えています。スパークスプレッドの潜在的利用者としては電気・ガス事業者、LNGの輸入商社が挙げられます。

TOCOMのLNG先物は、ICE、CMEのLNG先物とのアービトラージにも有効であることから、流動性提供者としては国内外のエネルギートレーダーの市場参加にも期待しています。」









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