FIAジャパン・テクノロジー・アカデミー・シリーズ:「金融資本市場におけるAIの役割」―イベント報告
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6月9日、FIAジャパン・テクノロジー委員会は、発表した教育プログラムの「アカデミーシリーズ」の第1回イベントとして、「金融資本市場におけるAIの役割」をテーマに、東京中心部にあるSnowflake本社で開催した。60人を超える参加者が、規制当局、取引所、証券会社、ITベンダーそれぞれの立場から議論する専門家パネルの講演を聴講し、その後、FIAジャパン会員であるColt社がスポンサーを務めるカジュアルなネットワーキングレセプションを楽した。

本セミナーの主な論点を以下の通り。

先進的な規制当局のスタンス:
金融庁より、イノベーションを促進するための「セーフハーバー」的なアプローチや、金融機関が直面する「リスクを取らないリスク」についての考え方が示された。これは、今後の技術革新に向けた日本の前向きな姿勢を象徴するもの。また、金融庁は6月18日にAIに関するオンライン官民フォーラムを開催。(詳細はこちらへ:「金融庁 AI官民フォーラム」(第1回)の開催について:金融庁)
具体的なユースケース:

野村證券からは、7,000人以上の従業員が利用する社内向けAIチャット「NomuChat」や、外国債券の目論見書から販売用資料を自動生成するGenerative AIの活用例が紹介された。
ナスダック社からは、AIを活用して注文の執行率を昨年より倍増させたSEC承認済みの新しい注文タイプ「Dynamic Midpoint Extended Life Order (M-ELO)」の実績が共有された。
市場全体の動向と戦略:

コルト・テクノロジーサービス社からは、AI活用を支える基盤として、日本でデータセンターへの巨額な投資が進んでいる現状が報告された。
スノーフレイク社からは、OpenAIのCEOも交えた議論として、「試さないこと、挑戦しないことが最大のリスクであり、間違いから学ぶサイクルを早く回すことが重要である」という、業界全体への力強いメッセージが共有された。
議論全体を通じて、AIの導入にはリスクベースのアプローチに基づいた堅牢なガバナンスが不可欠である一方、技術の進化から目を背けることなく、積極的に学び、活用していくことの重要性が共通認識として示された。
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次回のテック委員会アカデミーシリーズのイベントは、9月17日に開催されるFIAジャパンサマーパーティーと同時開催される予定。詳細は後日発表。
ネットワーキングレセプションスポンサー:
