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オペレーション委員会 - 2021年度活動レビュー

2021年度は、COVID-19の厳しい状況にもかかわらず、オペレーション委員会にとって活発な1年となりました。


2020年当時は、以下の2点を重点項目としました。

1) オペレーション委員会の構成とリクルーティング

2) アジアのFIAオペレーション委員会との連携・協力による2021年度の目標設定

2021年度の活動を振り返ると、これらの点について、一定の成果を上げることができました。

1)構成とリクルート

FCM(先物取引業者)6社、ブローカー・ディーラー2社、アセット・マネジャー4社、信託銀行2社、法律事務所など18社から39名を招待することができました。

委員会メンバーはバイサイド、セルサイド、信託銀行など多岐にわたり、先物取引のエコシステム全体から見た業界の課題を議論 することができています。業界の相互課題について、FIFOロジック、平均価格、事前確認とポストトレードにおける電子化と標準化、当初証拠金・清算資金の妥当性(いわゆる「DF/IM比率」)等というテーマを特定しました。次のステップとして、業務効率化及びオペレーショナルリスクの軽減のため、標準化の解決策を明らかにし、提案します。


2)FIAとの連携

FIA(特にアジアにおけるオペレーション委員会)との連携を強化することも重要な課題でした。FIAジャパンとFIAアジアは、直面している課題は同じですが、結束を欠くことがありました。

大阪取引所の祝日取引の導入、SPANからVaRへの移行、DF/IM比率など、1年を通して業界の課題について、 FIAアジアのオペレーション委員会と複数回の会議を設定し、共同 で議論してきました。


3) 業界への働きかけ

業界への働きかけは、オペレーション委員会のもう一つの重要な分野です。大証の祝日取引の導入に向け、追加証拠金の負担、技術的な制約、オペレーショナルとシステミックリスク等、クリアリング・ブローカーにとって大きな負担が想定されます。

我々はこのテーマを挙げ、取引所、清算機構、規制当局との間で数回のFIA/FIAJ共同セッションを開催しました。

昨年度の成果の一つは、FIAジャパンがJPXの「デリバティブの祝日取引に関するワーキンググループ」、及び上場商品運営員会にオブザーバーとして参加したことです。これまでは、FIAジャパンとFIAジャパンの会員は同ワーキンググループに参加していなかった為、議論されている情報等の把握ができませんでした。

今後も上場商品運営委員会、各種ワーキンググループのオブザーバーとして、より透明性があり、より開かれた日本市場を確立していきたいと考えています。


4)教育

教育および日本における先物業界の継続性は、FIAジャパンが重点を置い ているもう一つの分野です。近年、グローバルなFCMが日本市場から撤退し、シンガポールや香港などアジアのハブ拠点にオペレーション・清算業務を集中させる動きが見られます。

オペレーション委員会では、VaRの導入や証拠金規制など、デリバティブの清算リスク管理に関する情報・知見をFIAジャパン会員と共有しています。


2021年度の活動を通じて、取引所、清算機構、規制当局、FIAのグローバルチーム間のコミュニケーションの重要性を改めて感じました。FIAジャパンは、今後もこの重要な役割を担っていきます。


2022年度に向けては、以下のアジェンダに焦点を当てます。

1)日本の先物業界のさらなる発展に向けた取り組み

2)日本の取引所、清算機構、業界関係者との定期的なコミュ ニケーションを確立

3)先物業界からの声を捉え、発信する

4)FIAとのグローバルな連携を継続

5) クリアリングエコシステムにおける強固なリスク管理を目指し、標準化・電子化に注力


直近では、以下のようなトピックにも注力しています。

a) 消費税における適格請求書発行制度:2023年10月に施行予定この改革は、証券会社の業務に大きな影響を与えます。FIAジャパンの法制度委員会と協働し、混乱を避けるための対策について業界に情報を提供していきます。

b) OIS/TONA 先物: LIBOR からの移行に続き、JPXグループ・大証が OIS/TONA 先物を上場する計画について、制度概要も含め協議しています。


FIAジャパン会員はもとより、非会員企業からの意見も歓迎します。詳細はFIAジャパン事務局へお問い合わせください。


柳沢 俊

オペレーション委員会委員長




























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