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日本証券クリアリング機構(JSCC)- 次期国債清算システムが稼働へ

日本証券クリアリング機構(JSCC)では2022年1月11日に、日本国債の売買とレポ取引を対象とするシステムをリプレースし、"次期国債清算システム"が稼働した。


新システムの稼働に伴い、JSCCでは新たな制度として"国債先物ペアオフネッティング"を導入し、国債店頭取引と国債先物取引間の決済をネッティングすることで清算参加者の決済オペレーションを円滑にする。この制度は決済オペレーションの円滑性、効率性及び安全性の向上を目的としている。


レポ取引の決済は毎日行われている一方で、国債先物の現渡決済は四半期に一度"チーペスト銘柄"を対象として行われている。


JSCCにおける清算業務はそれぞれの"サイロ"において行われており、規則の運用や清算参加者による委員会、破綻損失に備えた財務資源の計算が別々になされている。この仕組みにおいては、あるサイロにおけるショックがほかのサイロに影響を与えることを抑えることができる一方で、JSCCの複数の清算業務を利用している清算参加者にとっては決済オペレーションが煩雑となりえる。そのため、両清算業務の資格を有する清算参加者の事務処理の負担を軽減するために、本機能によって同一の国債銘柄・同一決済日のポジションのうち、売り/買いが異なるもののネッティングが可能となるようにした。


加えて、本システムでは参加者ログイン時におけるシングルサインオン(SSO)を導入し、清算参加者は1つのIDで複数の清算業務のシステムにアクセスすることができるようになった。また、本システムのセカンダリサイトをプライマリサイトから地理的に離れた場所に設けたことで、BCP時における清算業務の業務継続性を高めた。


JSCCにおける日本国債の売買とレポ取引の債務引受金額は1日平均170兆円(往復)、決済金額は50兆円となり日本国債のDVP決済全体に占める割合は80%となっている。JSCCの清算利用によって、清算参加者は80%のネッティング効果・決済金額の80%削減を享受することができる。このような効率性は清算機関を利用しない相対の決済では得られないものである。


国債店頭取引清算業務の統計情報はこちらを参照:


連絡先:佐々木隆雄, 050-3377-7351, ta-sasaki@jpx.co.jp

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